花火大会データ最終更新:

SECTION 03

応用テクニック

比較明合成、露光間ズーム、二台体制、機内合成。基礎を押さえた次のステップ。

レリーズタイミングの感覚

打ち上げ音「ヒュー」から開花までの感覚を覚える。開花の直前にシャッターを開き、消えきる少し前で閉じる。

① 打ち上げ音 ヒューと音がしたら準備
② 開花直前 頂点で B シャッターを開く
③ 消える前 余韻を残してOFF

1. 比較明合成 (Lighten Composite)

別タイミングの花火を重ねて1枚にする最頻出技法

  • Photoshop: 全レイヤーを読み込み → 全選択 → 描画モード「比較(明)」
  • Lightroom Classic: マスクで個別レイヤー化は不可。書き出し後にPSへ
  • 無料代替: StarStaX(Mac/Win), SiriusComp
  • コツ: 三脚を一切動かさず構図固定。風で三脚揺れたら破綻する

2. 夕暮れ背景 + 花火合成

ブルーアワーの空に花火を合成して幻想的な1枚に

  • 日没後20〜40分のブルーアワーに三脚固定で背景を1枚撮る
  • ISO100, F11, 4秒前後で撮ると花火と露出が揃いやすい
  • 同じ画角のまま花火が始まったら通常撮影
  • PSで「比較(明)」合成 — 背景の暗部に花火だけが乗る

3. 露光間ズーム

バルブ中にズームリングを回し、放射状の光跡を作る

  • F13くらいに絞る (光跡の光量を整える)
  • 開花の頂点でレリーズON → ゆっくり広角端から望遠端へ
  • or 望遠→広角 (光跡の太さが変わる)
  • 回す速度が一定だと美しい。練習で感覚を掴む

4. 露光間フォーカス (フォーカスシフト)

バルブ中にフォーカスリングを回し、ボケから合焦へ

  • 開花直前にレリーズON、ピントを大きくボカした状態でスタート
  • 1〜2秒かけてゆっくり合焦位置へ
  • 玉ボケが収束して光の点になる幻想的な表現
  • 玉ボケが大きく出るので、強い光源(花火の核)が必要

5. インターバル撮影 + 比較明

一定間隔で連射し、後で全部重ねる「全部入り」技法

  • インターバルタイマー: 露光4秒 + 間隔1秒 → 5秒サイクルで延々連射
  • RAWで撮ること (現像での自由度確保)
  • 終了後StarStaXで一括比較明合成
  • フィナーレ全体を1枚に圧縮した「全景花火」が作れる

6. ライブコンポジット (機内合成)

OM-D/Nikon Zなど対応機種は現場で結果を見ながら撮れる

  • 対応機種: OM-D E-M1系/E-M5系, Nikon Z6II以降, Pentax K-1系
  • ライブコンポジット モード→ 露光時間設定 → 開始でリアルタイム合成
  • プレビューで光の重なり具合が見える
  • 撮り過ぎ防止に、ベスト形成と思った時点で停止

7. 二台体制

広角(全景固定)+望遠(寄り)。三脚2本でフィナーレも完璧

  • メイン: 広角14-24mmで全景固定 → インターバル
  • サブ: 70-200mm望遠で寄り → 玉の核や仕掛けを単発で
  • レリーズ2つ。バッテリー/カードも2セット
  • 夢中になりすぎて取り違えないこと

8. WB戦略 (3色の使い分け)

ホワイトバランスで作風が決まる

  • 3500K = 標準。色がニュートラルで自然
  • 2800K = 寒色寄り。青く幻想的、夜景に強い
  • 5000K = 暖色寄り。赤く温かい、ノスタルジック
  • RAWで撮れば後から自由に変更可。現場では3500Kでとりあえず

おすすめ実践順序

  1. ① まずは単発撮影でレリーズの感覚を掴む
  2. ② 比較明合成にチャレンジ (現場では何もせずPC作業)
  3. ③ 慣れたら現場で露光間ズーム/フォーカスを試す
  4. ④ 余裕が出たら二台体制 or ライブコンポジット導入
  5. ⑤ ブルーアワー背景合成は「あと一歩」の作品力アップに効く